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LNET倫理委員会/第1回「離婚後の凍結受精卵の行方」
最終更新日 2003.04.11





1.はじめに
2003年2月24日、LNET「質問の小部屋」に対し、Iさん(38才、フリーター)という女性から質問が寄せられました。それは、「10年間にわたり不妊治療を受け、体外受精のための受精卵を15個凍結保存をした。だが、その間に夫がほかの女性を妊娠させたため、離婚した。自分にとって凍結受精卵とは何だったのだろうか」というものでした(Q.16)。これに対し、最相は、「法的な制度は追いついていないが、とにかく元夫と相談するのが第一ではないか」と回答しました。

しかし、その後Iさんより「元夫は凍結受精卵を捨ててほしいというに決まっているので、それは自分にとっての解決にはならない」というメールが再度届きました。確かに、そのとおりです。この問題はIさんと元夫の夫婦関係から発したものではありますが、離婚や死別、あるいは子どもをあきらめた、といった場合にも同様の問題は生じているはずです。産婦人科クリニックでは、出産年齢を超えたり、夫婦関係が終了した場合は廃棄すると定められた規定は多いようですが、いらなくなったから捨てる、といった考え方を受精卵にあてはめることには抵抗を覚える人がいてもなんら不思議ではありません。

そもそも、なぜ15個も保存することになったのか、といった治療の現場や、治療にかかった費用は離婚後二人の間でどう分担されるのか、といったことも気になります。受精卵を人間として考えるのかどうか、といった議論もあるでしょう。法的に、たとえば所有権の対象になるのか、相続の対象になるのか、といった疑問もわきます。受精卵が不妊の第三者に提供されたり、売買の対象になったり、再生医療の材料として使用されている時代です。

Iさんの、「凍結受精卵って何?」という問いは、決してIさん個人の問いではないのです。

そこで、LNET倫理委員会では、Iさんのご質問を第1回目のケーススタディとして、サポーターの方々と議論してみようと考えました。

文/最相葉月



2003.04.11



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