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最相葉月の「なんでやねん日記」
最終更新日 2003.06.02

2003年6月2日(月)――その37
佐藤孝道先生のこと

5/30、聖路加国際病院産婦人科・生殖医療センター所長の佐藤孝道先生と対談させていただきました。テーマは「再生医療と生殖補助医療のはざま」です。最初は、関西出身者や関西での勤務のご経験がある方々が集う関西会という勉強会で私が再生医療について話す予定だったのですが、再生医療にいく前に棚上げされた問題をぜひ知っていただきたいと思い、生殖補助医療の現場の先生にお話をうかがいたいという希望を出したところ、今回の対談が実現したものでした。

佐藤先生は虎の門病院産婦人科部長でいらしたころ『出生前診断 いのちの品質管理への警鐘』(ゆうひかく選書)を出され、超音波診断から羊水検査、着床前診断といったいのちの選別の技術について、産婦人科の最先端の医療に携わるお立場から説得力のある発言をされています(後半でLNETサポーターの玉井真理子さんらとの鼎談もあり)。身近なものとして超音波診断は何の疑いもなくされていますが、すでにこの診断からある異常が発見されることがあるといいます。それだけの覚悟をもってこの診断がされているかというとそうではない。さらに、医師として、それを患者に伝えた場合、それがいくら軽微なものであれ、その段階でその状態を障害として選別していることにもなりうるというご指摘は大変ショッキングでした。

佐藤先生は、「当事者に語りかけ、納得が得られる倫理(ドグマではないという意味)」「生まれてくる子どもの権利」という二点をご自身が倫理を語る際に心がけておられる指標だとおっしゃっています。先端医療と倫理が語られる場合、往々にして机上の空論、ドグマに陥りがちですが、リアリティの感じられる言葉を探したいと思います。

ところで、佐藤先生は昨年秋に日本不妊カウンセリング学会を立ち上げ、不妊カウンセラー養成と普及に尽力されています。LNET倫理委員会の議題になっているiさんのケースについて相談しましたところ、iさんはカウンセラーがいるのに相談されていないという点について、さもありなんということでした。相談事というのは何かを何時から、はい、相談しますというものではありえない。診察と日常生活の一連の時間の流れで、自然に悩みを話せるような環境をつくることがいかにむずかしいか。iさんがお書きくださった、「子供が授かることは人間にとって凄く大事なことでもありますし、今の医学で、原因が解らないまま、時間と費用と精神的負担をかけても様々な面で頑張っている女性を出来るかぎり支援してもらえるところを是非作りたいですね。私の人生経験のほんのひとかけらからそんな風に思います。この様な治療を善か否かと判断するだけではなく」という言葉の重さを改めて感じています。

2003.06.02 最相葉月(プロフィール)



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