この半月ほどドイツとイギリスを旅しておりました。かなり収穫がありましたが、頭がまだ整理できないので、おいおい報告を。
途中、ハンブルグから電車とバスを乗り継いでノイエンガンメ元強制収容所跡地へ行ってきました。ノイエンガンメは第二次世界大戦中ヨーロッパ各国でナチに捉えられた囚人(罪状は何もない人々がほとんど、ロシア人が最も多い)らが収容され、劣悪な生活環境でSSの管理下、一日14時間以上の厳しい労働を強いられた場所です。現在は、レンガなど建築資材を造っていた工場の建物がそのままに残っていて、収容所の残骸や遺品は記念館に収められています。レンガ造りの工場から滑車のレールが滑り台のように斜めに架かっているのですが、今にも重い滑車が走り下りてくるようでなんとも不気味でした。
この収容所では殺害や病気、飢餓などのために5万5千人が亡くなったのですが、特筆すべきは、5歳から12歳までのユダヤ系の子供たち20人が結核などの生体実験の被験者になったことでしょう。番号札を首からさげ、腕を上げた子供たちのわきの下には、試験薬の副作用なのかくっきりと傷跡がのこっていました。子供たちは証拠隠滅のため、1945年4月20日、全員が絞殺されたそうです。ドイツの医科学研究には今なおナチの影が色濃く残っているといいます。胚研究への厳重さもその表れです。今回お目にかかったケンブリッジ大学の発生生物学のW.Reik教授(ドイツ人)に確認してみたのですが、やはりそれは確かのようです。
ひるがえって日本はどうか。関東軍石井部隊の生体実験の検証がない国に、果たしてトランスレーショナル・リサーチが実現しうるのでしょうか。
http://www.hamburg.de/Neuengamme/welcome.en.html#history