知らないでいる権利という言葉をご存じでしょうか。
自分が遺伝病の家系にあって、遺伝子診断をすればその病気の遺伝子を持っているかどうかが確実にわかるときに、遺伝子診断を受けますか。もしその病気の治療法がなければどうするでしょうか。それでも遺伝子診断を受けますか。
そんな選択に迫られたある姉妹が、遺伝子診断を受ける受けないという二者択一ではない第三の選択肢として提示したのが、その遺伝子を持っているかどうかは知らずに生きていくという考え方でした。「知らないでいる権利」として専門家の間ではよく知られている言葉です。病気や体質と遺伝子との関わりが解明され、簡単な血液検査で自分の遺伝情報がわかる時代、これを自分や自分の家族にも起こりうる問題として考えていただくためにも、ぜひお読みいただきたい本が出版されました。
アリス・ウェクスラーさんの『ウェクスラー家の選択 遺伝子診断と向き合った家族』(翻訳・武藤香織、額賀淑郎 新潮社)です。ハンチントン病に苦しめられた母親へのアリスさんの思いを縦軸に、妹のナンシーさんと父の遺伝病財団の活動、病因遺伝子発見に到る科学研究の歩み、知らないでいる権利が生まれた背景が描かれています。アリスさんが来日された際に、訳者のひとりである武藤香織さん(LNETサポーター)と鼎談を行いました。以下で読めるようになっていますので、ぜひご覧ください。
http://www.shinchosha.co.jp/shinkan/nami/shoseki/543401-2.html