27日から休みをとった人にとっては10日間の連休だというのに、街にはネクタイ姿のサラリーマンが歩いています。みなさんお休みは明日からでしょうか。
私はひと足先に4日間だけ休みをいただきニュース断ちをしていました。でも、帰ってみたら案の定、電子メールはあふれ、新聞、宅急便、郵便の山でした。ため息をついています。こんな状況は人間を狂わせます。こういう仕事をしていると、情報が断たれたり自分のからだを動かさないと死んでしまうかもしれないと恐れているような仕事中毒の人に時々会いますが、私もその一歩手前だったかもしれません。4日間の休みが少しは人間回復してくれていたのだとわかりました。
この間、ドリーの生みの親のイアン・ウィルムット博士がクローン動物はすべてなんらかの遺伝的異常があるという報告をしたとの報道がありました。トピックスで詳しく紹介しましたのでそちらをご覧いただきたいのですが、これは先日のクローンベビー妊娠報道を受けたものに違いありません。ウィルムットさんは私が取材させていただいたときからずっとご自身はクローン人間は反対であること、この技術が誤った方向に使われないよう科学者は説明責任があるということを強調されていました。とうとうそれが現実のものになろうとしているのです。第一人者としての使命感もあったのでしょう。いずれもすでに日米ほかのクローン動物の研究者より発表されている事実がほとんどのようですが、これをウィルムット博士本人が発表することはまた違った意味をもちます。時を同じくして、試験管ベビーの父といわれたイギリスのロバート・エドワード博士もまたクローン人間に反対する声明を出しました。
クローン動物も体外受精も、技術の延長線上にはクローンベビーや遺伝子操作によるデザインベビーがあります。しかし、そこに足を踏み入れるか否か、境界を隔てるものは私たちの智慧であると思います。『遊歩人』(文源庫編集・発行)で始まった連載「天の塵 海の滋 人の声」では、人に会い、歩きながら、その智慧の在処を考えていこうと思います。
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