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最相葉月の「なんでやねん日記」
最終更新日 2003.08.24

2003年8月24日(日)――その43
ねじれた絆

先日、人工授精の際に夫の精子を他人のものと間違えて注入したという事件が明るみにでました。明るみにでたと書いたのには、理由があります。3年前に不妊治療の現場を取材した際、同様の事件があったことを耳にしていましたので、水面下では今回のようなことはいくつも起こっていておかしくないと思っていたためです。私が耳にしたのは、すでに子どもが生まれているケースで、血液検査をしたときに夫の子ではないと判明したものでした。この場合は、子どものために不問にしたということですが、当人はもちろんのこと両親の思いを考えると胸が塞がれる思いです。第三者には何も言えない。二度とこんなことが起こらないよう、システムを整備することしか思い当たりません。

そこで思い出したのが、奥野修司さんというノンフィクション作家が書かれた『ねじれた絆』という本です。不妊治療とは関係ありませんが、病院で赤ちゃんを間違って連れ帰ってしまったために、それぞれの家族に軋みが生じていったいきさつを10年以上にわたり取材された問題作です。最初は女性誌でこの家族の記事を書かれたようですが、その後、二人の少女が成長するにつれ、改めて取材をされました。病院の管理のルーズさが招いた家族のねじれ。人間だからミスは起こるのは当然です。どんなに注意をしても間違いは起こります。子どものためを思い、家族は懸命にそのねじれを乗り越えようとします。しかし、それでも解決できない現実がある。

アメリカでも同様のケースがあり、一方の娘が病院を相手どった裁判も行われています。なぜ、一方なのか。これは「ねじれた絆」にも同様ですが、比較対象があるということが、裁判まで起こさせる要因かもしれません。冒頭の水面下で起こっていた他人の精子で……のケースの場合は、比較することさえできない。怒ることもできない。今回の事件が裁判になったのは、結果的に子どもが誕生しなかったからなのでしょうか。

2003.08.24 最相葉月(プロフィール)



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